
妊婦とオステオパシー
妊婦とオステオパシー
妊娠というのは病気ではなく、まったく健康的なプロセスです。妊娠によって身体が劇的に変化いたしますので、それに伴い身体にも負荷が生じます。母体の状態は胎児に影響をあたえ、その子の将来にまで関係します。ここでは、オステオパシーの妊婦に対するアプローチを紹介したいと思います。
脳脊髄液の動き
オステオパシーでは最初にクレニオ・リズム・インパルス(CRI)という脳脊髄液の動きをみます。
脳脊髄液は脳をおおい、脊髄を通って各神経にまでいきわたっていますが、この液には独特の動きがあります。
血液でいう脈拍のようなものです。
この動きはホメオスタシスといって身体の恒常性つまり、身体を一定に保とうとする力の指標です。
まずクレニオ・リズム・インパルスを見ることでその人の自然治癒力が高いか低いかをみる判断ができます。
そして、その動きが止まっているところ、自然治癒力が何らかの原因でブロックされている場合はそれを治療し、改善させていきます。
緊張パターン
次にその人の緊張パターンを調べます。
身体が上半身下半身とある一定の筋膜の緊張があるのですが、これは仙骨の動きに影響を与えます。
仙骨は出産にとても大事な役割を担いますので、出産前に身体の筋膜の緊張をとり、仙骨の動きを正常化させて、出産の準備をすると分娩がとても楽になります。
首の骨
そして、私たちがチェックするのは後頭環椎関節と呼ばれる頭がい骨と一番上の首の骨の関節です。
この関節は頭をまっすぐに保とうと調整する最後の関節なので、骨盤や背骨のゆがんでいる人は必ずこの関節に負荷がかかり、障害がおこりやすいということがいえます。
しかもこの関節は迷走神経という自律神経の一つの神経に影響を与えてしまいます。
また、この迷走神経が頭がい骨から出てくる頚静脈孔という場所とその縫合は問題を起こしやすい場所ですので必ずそこもチェックします。
背骨のゆがみ
胸の部分は通常、猫背が進み、ときには側弯症にもなります。
胸が痛みとともに背骨(T4-7)に問題が多く見受けられます。
胸郭の入口つまり、胸の上のほうですが、ここはリンパの流れにとても深く関係してくるので、ここの緊張はリンパの流れを阻害してしまします。
リンパの流れが阻害されると、身体中の体液が停滞してしまい、たくさんのトラブルを引き起こします。
ろっ骨
妊娠によって肺が下からおされてきますので、それに伴うろっ骨の動きなどをチェックする必要もあります。
下側のろっ骨には横隔膜という筋肉が付着しており、この筋肉は身体の呼吸・循環系のポンプ役を担っています。
胸郭部の治療は酸素と二酸化炭素の交換効率をあげ、身体中に栄養を供給し、代謝物を効率よく排出し、本来の免疫力が高い身体に戻してくれます。
腰痛
妊娠によって腰痛を訴える人が多いのですが、これは腰の骨が妊娠によって、前にそり、骨盤の中の臓器が原因で腰の脇の筋肉が張ってくるためです。また、腰と仙骨の間の関節に問題が生じやすく、腸腰靭帯という腰の骨と骨盤を結んでいる靭帯がよく硬くなってしまいます。また、仙骨がゆがんだりして腰痛の原因となります。
いずれの問題でも、オステオパシーの技術はやさしいので安心して治療をうけることができます。
小児とオステオパシー
小児とオステオパシー
欧米では乳幼児をオステオパシーに見せるのが一般的になってきました。
その手技の繊細さと効果は素晴らしく、消化、吸収、代謝、排泄の機能を亢進させます。
乳幼児の時のケアはその後の人生に大きな影響を与えることをご存知ですか。
小児ぜんそく、アトピー性皮膚炎、運動機能障害などの抑制と予防をはじめ、暗記力の向上、運動機能の発達にも効果があります。
以下にオステオパシーが乳幼児のトラブルにどのようにアプローチできるか具体的な例を紹介します。
分娩時の問題
まず、分娩に際して、乳児は狭い産道をとおってくるので、頭にかなりの圧力がかかることになります。
乳児の頭がい骨はまだ、完全には出来上がっていないので骨と軟骨からできていますが、特に後頭骨とよばれる頭蓋骨のそこの骨は4つに分かれていてここに歪みが生じることが多く、この骨のゆがみは脳からの静脈や様々な脳神経に影響を与えることがあります。
たとえば、うまくお乳が飲めない、斜頚、内臓の不調などです。
通常の乳児は自分で泣いたり、お乳を飲んだりすることでその歪みを自然に治しますが、乳児がいつまでもうまくお乳が吸えないなど上記の症状が気になるようでしたら一度はオステオパスにチェックしてもらうとよいかと思います。
側弯症
背骨が左右にまがることを側弯症といいますが、私たちがチェックしているものの一つです。
側弯症には構造上まがって、矯正できないものと、機能的に曲がっているだけで矯正可能なものがあります。
側弯が進んでくると矯正器具を使ったり、手術が必要だったりします。
機能的な側弯もほっておくと、背骨が曲がったまま成長するために後で矯正ができなくなることがありますので、早めにチェックしてもらいましょう。
中耳炎
中耳炎は月齢3カ月から3歳の子供に非常に多く病気です。
これは子供の耳管が大人よりも水平で細いため分泌物で詰まりやすく、ウィルスや細菌がそこで増殖しやすいからです。
オステオパシーでの治療はまず、横隔膜、ろっ骨を治療することで体全体の循環を改善させ、関係するリンパの流れを促進させ、そして耳管の位置する側頭骨という頭がい骨の骨の動きを改善することで、症状を改善させることを目的とします。
便秘
排便が5日以上ない場合、排便に痛みがある場合、おむつや便に血液が付着している場合を便秘と呼びます。
水分不足や母乳の場合はお母さんの食事も気をつけなければなりません。
乳児の便秘の原因はほかに、食事中の食物繊維不足、食事習慣の変化などが原因で起こりますが、大腸の神経が欠損している病気(ヒルシュスプルング病)、甲状腺ホルモン不足、カルシウムやカリウムの異常などの原因も考えられます。
治療法としては、生後2カ月未満で乳児用調合乳か母乳を十分飲んでいる乳児の場合は、朝晩の授乳にコーンシロップをティースプーンに1杯分加えます。2〜4カ月齢の乳児の場合は、リンゴかプルーンの果汁が適しています。
4カ月から1歳の乳児には、食物繊維の豊富なシリアルや、裏ごししたアンズ、プルーン、プラムを与えると症状が緩和されます。
オステオパシーでは背骨と頭がい骨を調整することで関係する自律神経を正常化させ、内臓マニピュレーションという手技で腸を活性化させます。
短下肢
これは足の長さが右と左が違うことですが、これはのちに側弯症の原因にもなりますので、早めの対処が必要です。
骨盤のゆがみや腰の骨が原因で足が短い場合はオステオパシーで矯正すると足が揃いますが、骨自体の長さが違う場合は矯正できないので、靴につめものをしたりして、調整することを考えなければなりません。
クループ(喉頭気管支炎)
クループはパラインフルエンザ主に月齢6カ月から3歳の子供に多い喉頭気管支炎です。
普通かぜの症状、つまり鼻水、くしゃみ、微熱、せきなどから始まります。
それから子供は、「金属音様」とか犬吠(けんばい)といわれる普通とは異なるせきを頻繁にします。
重症のクループでは、息を吸うたびにキーキーいう大きな音(喘鳴)が出ます。
これらの症状は、典型的にはすべて夜間に悪化し、そのために子供は目が覚めてしまいます。
子供の症状は朝には良くなりますが、また翌日の晩には悪化します。
通常3日〜4日で治ります。
この病気は炎症と浮腫がのどにおこるものですが、病院にいくとエピネフリンというホルモンを与えて血管を収縮させて症状を抑えますが、オステオパシーでは薬はなるべく使わず、かわりに胸のあたりの背骨を刺激して直接、交感神経を刺激することによって血管を収縮させて炎症と浮腫を抑えます。
また、副交感神経を手技で正常化させることができます。
しかし呼吸困難が悪化が継続している場合、心拍数が速くなっている場合、疲労がある場合、皮膚が青みがかった色になっている場合はなどは入院が必要です。
細気管支炎
細気管支炎もウィルス性の感染症ですが、典型的には月齢18カ月未満の子供がかかり、月齢6カ月未満の乳児に最もよくみられます。
生後1年の間に、細気管支炎にかかる子供は100人あたり約11人ですが、流行のときはさらに多くの乳児が感染します。
細気管支炎がピークとなる季節は冬と早春です。この病気は母親が喫煙者であり、特に妊娠中に喫煙していた母親の乳児によくみられますが、母乳で育った乳児にはあまりみられないようです。
オステオパシーでの治療はまず首を治療して横隔膜や肺にいく神経(副交感神経)を正常化させます。
そして、胸郭つまり胸のろっ骨を治療して、呼吸を楽にして、リンパの流れを改善させます。
また、背骨を刺激して交感神経を正常化させ、頸椎と仙骨を治療することによって肺にむかう副交感神経を正常化させ、そして、頭蓋骨の側頭部の制限はときに呼吸を浅くするので、それを治療することによって、呼吸を楽にさせることができます。
肩甲難産
分娩時によく骨折する骨は胸の上にある鎖骨でして、大きい赤ちゃんで肩甲難産といって頭だけで肩のところでひっかかる赤ちゃんに発生しやすいものです。
肩こう難産自体は200〜500人に一例程度ですが、生まれてくる赤ちゃんの体重が大きくなればなるほど頻度が高くなります。
鎖骨の骨折はもちろん3-4週間の固定が大事ですが、もっと大切なのはその機能の回復です。
私たちオステオパスは組織を緩めて肩関節の動きを回復させます。
その他、夜泣き、コリック、発達異常、内斜視、自閉症、障害児治療なども
ご相談ください。









